1980年代の終わりから90年代にかけて、世界の歴史は激変していきます。ベルリンの壁が崩壊し、ソ連をはじめとする共産圏諸国が相次いで崩壊します。日本はバブル景気によってかつてない活気を呈します。一方、ヨーロッパは不況の波を受け、NLMは宣教方策の見直しを迫られます。しかし、バブルの崩壊とともに、日本の経済状況は、急激に悪化します。追い打ちをかけるように、阪神淡路大貫災、オウム真理教によるサリン事件が起こります。
戦後を支えてきた、政治、行政、経済システムが制度として、世界の動きに適応できない状況になり、巨大銀行が国の管理下におかれるまでになりました。阪神大震災では、被災地の教会への支援の手が、各教会から差し伸べられ、大きな支えになりました。オウム事件以降、宗教に対する警戒心が強くなり、教会学校生徒数、受洗者数の減少にも、その影響がみられます。
「2000年50教会をめざして」の運動は、伝道所を含めて40教会となりました。歩みは遅くども、1つまた1つと開拓伝道が試みられていることを覚えます。また、開拓伝道のために伝道会が果たしてきた役割の大きさも忘れてはなりません。
世紀末から、新しいミレニアム(千年期)にむかう中で、私たちは「宣教50年」を迎えます。
- 91年
- 仁摩教会独立 西宮伝道開始
- 93年
- 6代議長、勝原忠明 新田教会加入
- 93年
- 新会堂の献堂各地で行われる。
- 94年
- 地区活動の強化
- 95年
- 阪神淡路大震災
- 96年
- 7代議長、池上安 二見伝道開始
- 97年
- 淡路伝道開始 蒜山バイブルキャンプに運営参加決定
- 98年
- モンゴルヘの伝道協力開始
- 99年
- 日本宣教50周年感謝礼拝式
[資 料]
この世紀末に社会が抱える課題は経済不況、高齢化、そして青少年の犯罪の増加など多様で深刻です。今を生きる私たちのライフスタイルや価値観の変革が迫られています。閉塞感や倦怠感が世界を覆い、闇が人々の前に広がるとき、神の預言者は歴史の中に神のさばきと、人の不信や背反を思いました。同時に、神のみわざの成る「胎動」を聴いたのです。今こそ私たちは、世界と歴史のうちに神の救いのみわざの起こることを平静に、また執拗に、希望をもって信じるものでありますように。来る年も、西日本福音ルーテル教会が世界に対する神の救済の決意と徹底性を示すイエス・キリストの福音を、私たちの教会から地域へそして海外へと、さらに熱心に伝えていきたいと思います。